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住宅ローンが払えない場合の債務整理と不動産売却(後編)について解説します。

この記事は前編からの続きになります。まだご覧になられていない方は前編からご覧ください。また、本特集は前編、中編、後編と3部にわかれています。

住宅ローンが払えない場合の債務整理と不動産売却について解説します。(前編)

住宅ローンが払えない場合の債務整理と不動産売却について解説します。(中編)

さて、中編では住宅ローンを滞納が続いた時の任意整理のプロセスなど方法について説明しました。そして後編となるこの記事では、任意整理のメリットや注意すべきことについてまとめてみました。

 

特定調停で住宅ローン問題を解決できる?

住宅ローン以外の借金の支払条件を見直せる場合がある

特定調停とは、債権者と債務者が借金の支払条件について簡易裁判所で話し合いをし、合意に至れば新たな条件にもとづき返済を行うというものです。

任意整理では債権者と裁判外で交渉を行いますが、特定調停では家庭裁判所の調停を利用して債権者との合意を目指すことになります。

特定調停でも、住宅ローン以外の借金だけを整理することができますので、住宅を残すことが可能になります。

 

特定調停はあまりメリットがないこともある

住宅ローン以外の借金については、特定調停を利用して毎月の返済額を減らせる場合があります。他の借金の返済額が減ったことで、住宅ローンの返済が楽になることもあります。

なお、特定調停では、一般に、任意整理よりも債権者と合意するのが難しくなっています。

特定調停では裁判所に出廷するなどの手間もかかりますので、債権者もあまり協力的ではないことが多いのです。債務者側が調停を申し立てても、債権者側が強硬に拒否すれば、調停は不成立になってしまいます。

また、特定調停をした場合には、調停成立までの遅延損害金や将来の利息も債権者に支払わなければならず、任意整理ほど借金の減額効果がありません。特定調停には、手続きの中で過払い金請求ができないというデメリットもあります。

 

住宅を手放さずに債務整理ができる個人再生とは?

裁判所に申立てて債務を大幅に減らせる個人再生

個人再生は、個人が民事再生法にもとづき裁判所に申し立てて行う債務整理方法です。

個人再生では、債務を総額の5分の1もしくは100万円程度まで、大幅に減額してもらうことができます。ただし、債務を減額してもらうには、裁判所の認可を受けた再生計画に従って原則3年間(最長5年間)返済を行う必要があります。

 

個人再生では住宅ローン特則が利用できる

個人再生では、任意整理や特定調停と異なり、整理する借金を選ぶということはできません。ただし、個人再生を行う際には、再生計画の中で「住宅資金特別条項」(住宅ローン特則)を定めることができ、住宅ローンについては整理の対象外とすることが可能になっています。

住宅ローン特則を利用して個人再生を行う場合、住宅ローンの支払いはそのままにして住宅を残しつつ、他の債務については大幅に減額したうえで分割払いができるというメリットがあります。

また、住宅ローン特則を利用した場合、住宅ローンの残金を減らすことはできませんが、返済期間を最長10年まで延長することができます。個人再生をすれば、住宅ローンの毎月の返済額を減らし、返済が楽になることがあります。

 

債務整理で自己破産を選べば住宅はどうなる?

自己破産なら借金は全額免除

自己破産とは、裁判所に申立てをし、免責許可をもらって今ある借金を全額免除してもらうという方法です。自己破産をする場合には、手持ちの財産はすべて換金し、借金の返済に充てなければなりません。最低限の現金のみ手元に残すことができますが、それ以外の財産は失ってしまうことになります。

 

自己破産を選べば住宅も当然失ってしまう

自己破産では、借金を免除してもらえる代わりに、財産もすべて失うことになります。住宅ローンが残っているマイホームも、当然奪われてしまうことになります。

債務整理方法として自己破産を選べば、住宅を残すということはできません。自己破産を申し立てるなら、住宅を失う覚悟をしなければならないということです。

 

住宅ローンが払えなくなった不動産を売却できる?

住宅ローン返済中の不動産も売却は可能

住宅ローンが払えなくなった場合に、不動産を売却して解決する方法があります。住宅ローン返済中の不動産も、決して売却ができないわけではなく、売却は可能です。不動産を売却して手放してしまえば、住宅ローンの支払いに悩まなくてすむことがあります。

 

住宅ローン返済中でも不動産を通常売却できるケース

住宅ローン返済中の不動産には、金融機関や保証会社の抵当権が付いています。抵当権が付いた不動産を購入する人は普通いませんから、住宅ローン返済中の不動産を通常の方法で売却するためには、抵当権を抹消できることが条件になります。

具体的には、住宅ローン返済中の不動産でも、以下の条件のどちらかをみたしていれば、通常売却が可能です。

 

(1) 不動産の売却価格がローン残高を上回る場合

不動産の売却価格がローン残高を上回っている状態は、アンダーローンと呼ばれます。アンダーローンの場合、不動産の売却代金で残りのローンを完済できますので、抵当権を抹消することができます。

 

(2) 不動産の売却価格がローン残高を下回っているが差額を現金で払える場合

不動産の売却価格がローン残高を下回っている状態は、オーバーローンと呼ばれます。オーバーローンの場合、不動産の売却代金を全額返済に充てても、それだけでは残りのローンを完済できません。ただし、差額分を現金で用意することができれば、ローンを完済できますので、抵当権を抹消できます。

 

通常売却できない不動産を売却する方法

上述のとおり、オーバーローンの不動産は、差額分の現金を用意しない限り、通常売却はできません。ただし、任意売却という方法によれば、オーバーローンの不動産を売却することができます。

任意売却とは、債権者である金融機関と交渉し、抵当権を抹消してもらう同意を得て、オーバーローンの不動産を売却する方法です。残った債務の支払い方法については金融機関と新たに契約し直すことになりますから、無理のない金額で分割払いすることも可能になります。

いかがでしたか。

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